偏屈士日碌

アジカンを筆頭に邦ロックやアニメについてつらつらと。

読書感想文「後期中間考査明けの一冊」篇

読書感想文というのは、人生において一度きり、芥川龍之介の「羅生門」について書いたのみである。しかもそれも今から三年前くらいのことなので全く覚えていない。恐ろしくヘボい文章であったことは確かなのだが、それ以外のことを全く覚えていない。

そのくらい私の行っている学校では読書感想文というものを書く機会がなかったので、正直読書の感想を書くにあたり不安でいっぱいである。そもそも私は感想文を書くこと自体が苦手であるので、いつも感想を書くときは不安で手汗が噴きだし、(ガラパゴス)携帯をびしょびしょに濡らしてしまう。しかし最近何故か文章を書きたい衝動に駆られている。小説はネタが全くといっていい程思い付かないので、一昨日読んだ本の感想でも書くとする。


私は一昨日川上弘美さんの「センセイの鞄」を読んだ。

私が男女の恋愛小説を読んだのは久しぶり…というか、初めてではなかろうか。普段からリア充をことごとく憎悪し、少女漫画や乙ゲーの類を嫌悪してきた私なのに、この小説は一日で読了してしまった。先生と生徒の恋愛が好きだからか、それとも今現在実際に私が学校の先生に恋情を抱いているからか、はたまた川上先生の文章テクニックが巧みだからかは分からない。むしろ全て含まれているような気がする。とにかく、読書もあまりしない(または読了しない)私にとって、珍しいことである。

このお話はというと、主人公が当時教わっていた高校の国語(恐らく古典)教師と数十年ぶりに再会し、ゆっくりと距離を縮めていく、という感じの内容である。

この小説は15万冊の大ヒットを遂げ谷崎潤一郎賞を受賞、実写映画化もされた人気作である。らしい。読み終わってから知った。確かに二人がじわじわ関係を深めていく様子は先が気になってしまったし、いちいち「センセイ」(=国語教師)の言動にも「うぉぉぉお」と、謎の雄叫びを上げてしまう。心理描写も巧みである。主人公の悶々とする姿に思わずニヤニヤしてしまったり、共感してしまったりした。ヒット作なのも納得である。

そして何より、この「センセイ」の口調が、今私がその、ぶっちゃけると、嘘を全く付かずに単刀直入に言うと…惚れている、先生の口調にそっくりなのである。本当にこんな喋り方の先生が他にもいたのか、と驚いてしまった。そして「センセイ」をその先生に重ねて読んでしまい、主人公が羨ましくてこちらも悶々としてしまった。ちくしょう、私だってああされたい!とか、二日経った今でも思っている。恐ろしい程今の私は乙女モードである。
最近、私は恋患っている。

そんなこんなで、「センセイの鞄」、面白かった。
途中から私の先生の話に逸れてしまった気がするが…まぁいいか。

因みにその先生は妻子持ちで、私より確実に30歳以上も年上の温和で素敵なおっさんである。